#6 設計屋視点 メーカーマップ (3)
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構造部品メーカーと機能部品メーカー
下表は、車体側(ボディ)とパワートレイン側(動力・駆動)における、
構造部品と機能部品の一部を代表として記したものです。
今回は、その構造部品と機能部品の特徴や設計業務で身に付く
スキルを簡単に説明します。
<構造部品メーカー>
【部品の特徴】
・車体側の部品が多い。
・骨格、土台、仕切り、気密等の機能を持つ。
・デザイン性が重視される部品が多い。
・機能(性能)のコントロールは、形状と材質で決まる場合が多い。
・製法は、板金プレスや樹脂成型(パネル物)が多い。
【設計業務内容】
・完成車側でほぼレイアウト、設計を行う。
・サプライヤー側は提示された形状データや図面を基に、
製法上の都合を検討し、形状反映させる。
・サプライヤー側は板金プレスや樹脂成型の「型」設計がメインとなる。
・CAD操作は、下記データの扱いが多いと思われます。
完成車側(製品設計) : サーフェス(面)データ
サプライヤー(型設計) : ソリッドデータ
【得られるスキル】
サプライヤー側は、製法の知識やCADスキルは得られますが、
自動車部品の設計(仕様決め)が前提であれば、お勧めできません。
構造部品であれば、完成車側をお勧めします。
<機能部品メーカー>
【部品の特徴】
・性能、耐久性、商品性、等々の要求値が明確。
・車体側にもあるが、パワートレイン側が圧倒的に多い。
・アセンブリーでの部品供給が多い。(サプライヤー → 完成車側)
・複数の製法部品で構成される。(樹脂、板金、鋳造、機械加工)
【設計業務内容】
・完成車側は、要求スペックや概略形状を決める。
・サプライヤー側は、上記の提示された情報を基に詳細設計を行う。
・形状データや図面以外に、スペックの作成、取り交わしがある。
【得られるスキル】
・CADスキルが得られるが、特にサプライヤー側は、詳細設計の
スキルが得られる。
・アセンブリーとしての機能保障に関する知識が得られる。
・複数の製法部品の集まりの場合が多く、製法スキルが広がる。
(樹脂成型、板金プレス、鋳造、機械加工、他)