#3 たかがCAD されどCAD
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設計屋さんのテリトリー
前回も触れましたが、設計部署の業務はグローバルで、多岐にわたりますが、
派遣社員の場合、ほぼ下記の範囲になります。(一般的な傾向です。)
・3D CADを使用した 部品形状/レイアウト検討、モデル作成。
・CADを使用した図面作成。(3Dモデルを図面化、既存図面の修正等)
・帳票類の作成。(図面の手配、部品リスト、技術検討のまとめ、報告書作成等)
・その他(社内外との業務調整、打ち合わせ等)
設計業務とは
唐突ですが、設計業務とは一言でいうと要件を満たす為の仕様を決めることです。
一つの部品やそれらの集合部品(Assembly:Assy)、更にその上のAssy部品、
そして最終的には完成車になりますが、これらの設計行うということは、
下記のような要件を満たし、その為の仕様を決めなければなりません。
ここは、実務に就かないとイメージしにくいと思いますので、流してください。
<決める仕様>
・材質 ・表面処理/熱処理 ・肉厚/板厚 ・寸法/公差
・固定方法(ネジ/圧入/溶接/カシメ/溶着)・形状 等々
<満たす要件>
・周辺クリアランス(干渉)・性能 ・耐久性 ・商品性
・生技性 ・市場メンテナンス性 等々
CADが受け持つ範囲
仕様を決める中でCADが受け持つ部分は、形状を決めることです。
上記の<決める仕様>の中でも、材質や処理、厚み、公差、固定方法は、
CADでの形状検討前に決める必要があり、CADで決める内容ではありません。
CADの範囲は、周辺部品とのクリアランス、型抜き、固定方法、組立て方法、
工具成立性、等々を検討し、最終的に形状(寸法)を決めることです。
実際の量産設計
繰り返しになりますが、CADで形状を決めるのは設計工程の最後であり、
その前に数値的な仕様は基準規格、技術計算、テスト結果で決まります。
(数値的な仕様 : 厚み、処理の膜厚、公差、ねじサイズ、本数、ピッチ・・・)
しかし、実際の量産設計でその都度計算やテストを行うわけではなく、
ほとんどの場合、数値的な仕様はベース部品のそれを踏襲し、
形状のみ新車種に合わせます。(車両適合といいます。)
もちろん最終的にはCAE(構造解析)や要件テストは行います。
結果的に量産設計のほとんどは、CADによる車両適合、および作図作業になります。